どうしても出るCO2、削減したい
COJ: カーボンオフセット対象商品について教えてください。
わたしどもは主にビルやマンションなど建物のリフォームを行っています。
その工事の際にはどうしても電力や工事車両を使いますし、また不要品や廃棄物も発生します。
そうしたことから排出してしまったCO2量をカーボンオフセットで相殺し、排出量ゼロを目指すリフォームを行っています。
2009年5月〜2010年4月までにはオフィス、店舗のリフォーム工事の工事現場で使用する電気から排出されるCO2量4,589.2kg、
事業活動に伴い車両が排出するCO2量10,460.3kg、事務所で使用する電気から排出されるCO2量2,490.2kg、
合計で17,540kg、約18トンのオフセットとなりました。2008年度は、予測量ですが約46トンのオフセットを実施しました。
COJ: カーボンオフセット導入の経緯を教えてください。
我が社は2008年5月に創業しました。
世のため、人のために必要なことは何かと模索した末、
会社として地球環境にやさしい企業になりたい、と理念を掲げたのです。
これを全面に打ち出し、お客様にも環境配慮の取り組みに共感していただこうとアピールをしてきました。
カーボンオフセットのことを知ったのは、内装メーカーのショールームで行われたセミナーでした。
そこではじめてカーボンオフセットのことを聞き、どういう取り組みかと調べていったのです。
わたしたちの事業でどうしても排出してしまうCO2を企業の義務としてオフセットしたい、
環境を汚さないよう少しでも貢献したいと思い導入を決めました。
COJ: COJを選んだ理由はありますか?
ほかにプロバイダーもいくつかありましたが、
COJさんには純粋に地球環境への取組みをしているといった姿勢が伺え、
その理念に共感したので選びました。これまでもいろいろなことを教えていただきましたが、
引き続き学ばせていただければと思います。
「見える化」がもたらした効果は
COJ: 社外の反応はいかがですか?
カーボンオフセットの認知度はまだ低く、お客様の中でもご存じない方が多いのですが、
説明すれば理解していただけます。お客様には工事が完了したときに、
このくらいのCO2をオフセットしました、と数字をお見せするようにしています。
みなさんにわかりやすく伝えていくのも今後の課題のひとつで、
カーボンオフセットについての詳しい資料などを作成し持参できれば、と思っています。
COJ: 社内の反応や苦労された点はどんなところでしょうか。
現場で発生するCO2排出量を「見える化」するためにCO2の測定方法や計測といった、
これまでになかった手間暇が発生することをスタッフに理解してもらうところが苦労点でした。
ですが、カーボンオフセットを取り入れたことでいままで見えなかった数字が見えてきました。
CO2という本来は出してはいけない、しかも目に見えなかったものが「見える化」したことで、
これまで無関心だった皆の意識も変わったと思います。
排出量が数値化されたことでリアリティを感じるようになったのです。
これは社員の意識の中に「CO2削減に積極的に取り組んでいかねば」
という考えが芽生えるよいきっかけになったのではないか、と思います。
具体的な取り組みとしては3Rの推進をはじめ、節電、使用する車両のエコカー導入、
また自転車を積極的に活用するといったことが挙げられます。
わたし自身、平日のスーツ姿ではなかなか出来ませんが、
土日の現場などには少しラフな服装で自転車に乗り、
10km、15kmくらいの距離なら走っていくことにしています。
気持ちいいですし健康促進にもつながり一石二丁です(笑)。
また、現場で出た廃棄家具や植栽等を引き取り自社で利用したり、ほかへ提供したりするなどリユースしています。
LED照明、エコ資材を推奨して
COJ: ほかにされている環境活動はありますか?
リフォームの際CO2の削減を推進するため、照明器具等の省エネ製品普及に努めています。
既存の電球や蛍光灯をLED照明へと取り替えることによって消費電力をカットし、
CO2の排出量を5割~9割削減できます。
地球環境にもやさしくお財布にもやさしいのが最大のメリットです。
内装材や床材などリフォームに利用する資材も、できるだけ環境配慮型のものをお客様へ提案しています。
大好きな自然環境を守りたいから
個人的なことでは、わたしは元から自然がとても好きです。
山の澄んだ空気の中でふかふかの森の腐葉土を触り、
昆虫や小動物など生き物を見ていると本当に心が安らぎます。
ですから環境が破壊されていくことに対しては以前からとても危惧感がありました。
またわたしは阪神・淡路大震災のとき阪神高速道路を走っていました。
高速の左右の外灯が交差するほど揺れるのを今でもはっきり憶えています。
あのときに自然災害の恐ろしさも思い知りました。
地震は人間にはどうすることもできませんが、
もし最近よく起きる土砂災害などの自然災害や環境破壊が人の手によって生じているのなら、
それをまた人の手によって食い止めることは可能です。
わたしの好きな自然環境を守るためにも、
我が社の環境配慮型の事業展開が少しでも貢献していければと願っています。
COJ: 今後の課題、やりたいことはありますか?
いま力を入れているLED照明のさらなる普及に努めます。
目標として2020年までに、現在取引させていただいているお客様の建物の照明をLEDに切り替え、
照明から排出するCO2排出量を現在より50%削減することを掲げています。
照明エネルギーは一番わかりやすく、また取りかかりやすいCO2削減への手段ですので、もっと広めていきたいと思います。
また、山間の自然豊かな場所に会社の保養施設のようなものを作りたいと考えています。
そこで畑を作り無農薬の野菜を育て、楽しめるような場所にしたいのです。
自然の中で過ごす楽しさを特に現代の子供たちに体験してもらいたいなと思います。
またその施設を通して自然回帰型の住まいや住まい方を提案できるモデルケースにもなればと考えているところです。
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