健康、環境に配慮した商品作り
COJ: カーボンオフセット対象商品について教えてください。
「エッセンシティ」というシリーズでシャンプーやトリートメントなどヘアケアやスタイリング剤全16商品が対象です。
サロンの店頭で1本お買い上げいただくごとに1kgのオフセットが付くことになっています。
売れ行きも非常に好評で、2010年1〜3月までの「エッセンシティ」販売数が12,678本、
カーボンオフセットの数量も12,678kgとなりました。
わたしどもの親会社であるドイツ・ヘンケル社は、企業理念として持続可能な製品開発をモットーに古くから実践してきた企業でもあります。
アメリカのフォーチュン誌などでは「最も称賛される企業」として、
またドイツで最もサステナブルなブランドとして選ばれているような会社です。
そのヘンケル社の技術力を使って環境に配慮した「エッセンシティ」が生まれたのです。
「エッセンシティ」のコンセプトは3つあります。
一つ目は「健康」でシリコーン合成香料や、パラフィン(鉱物油)、パラベン(防腐剤)不使用。
最大100%自然由来のエッセンシャルオイルと厳選されたオーガニック成分を使っています。
二つ目は「エコロジー」で環境に配慮した商品づくりを目指しています。
具体的には生分解性に優れている製品であること、また生態系を崩さない植物原料を使います。
三つ目は「社会貢献」です。
昨年度は東パナマの熱帯雨林再生プロジェクトに参加し、年間70ヘクタール以上の植樹をしました。
また、このカーボンオフセットプロジェクトで地球温暖化防止CO2削減を支援しています。
わかりやすい活動としてカーボンオフセットを
COJ: カーボンオフセット導入のいきさつを教えてください。
ヘンケル社が環境対策に熱心ですから、わたしどもも、もっと環境に貢献した取り組みを行いたいと考えていました。
近年の政府のCO2削減への積極的な取り組みもあり、
また様々な環境貢献運動の中でもカーボンオフセットは非常にわかりやすい行動ではないかと考えたのです。
CO2削減量を数字で表すことができますし、一般のお客様に対しても1本買うごとに1kgのオフセットができる、
という説明は明瞭でいいのではと思いました。
COJさんをプロバイダーに選んだのは、
ホームページを見たときに仕組みがわかりやすく解説されていたことなどから候補として上がりました。
契約後も定期的に報告をいただいてますし、丁寧な応対だなと満足しています。
美容業界にもさらなる関心を呼びかけたい
COJ: 反響はいかがでしょうか。
「エッセンシティ」はサロンでのみ販売しています。
わたしどもの「環境に最大限の配慮を」というコンセプトに賛同していただいたサロン様と契約し商品を販売いただいています。
ただ販売するだけでなく、契約いただいたサロン様では、はじめに商品について、また、カーボンオフセットについての講習会を開き、
みなさんに勉強していただいています。
「エッセンシティ」は昨年9月からの販売ですが、この半年で全国で1,000件以上のサロン様にご契約いただけました。
この数字はかなりすごいことだと実は内部でも驚いています。
雑誌などのメディア掲載も昨年の3ヶ月間弱で100誌あまりありました。
この様子から美容業界も健康や環境への関心が高まってきている、といえるのではないかと思います。
一方でなかなか理解していただけない場合もあります。 環境に関心の高い方はすぐに興味を示してくださるのですが、
こうした層はまだ少数派だなと感じることもしばしばあります。
なぜいま、環境に配慮した商品をサロン様でも取り入れないといけないのか、から根気よく説明をしていく努力が必要です。
また、サロン様の中でオーナーの方が納得いただいても、スタッフの方々が、
どうしてこの商品を使わねばならないの、という疑問を持ち続けてしまうのではまだ不十分だと思います。
サロン様の全スタッフにコンセプトを浸透させていく、というのが次の課題ではないかと考えています。
スタッフの方々には、実際にご自身で体験していただいて納得いただいていることも多いです。
「エッセンシティ」は人への負担がなるべく軽減するような成分で作られています。
仕事で使用するシャンプーやカラー剤など従来の製品による手荒れ等にお困りの方も多いでしょうから、
使ってみてご自分の体のためにも良い、と実感することで支持していただけるのではないかと思います。
製品自体の性能への評価も実は高くいただいています。これまで自然派と謳われているヘアケア商品は、
たとえばシャンプーだと泡立ちが悪かったり、きしみなどが出てしまうという弱点が見られました。
しかし「エッセンシティ」に関しては、一般消費者へのアンケート調査を行ったところ、
約8割の方が使用感に満足している、と回答されています。
「エッセンシティ」は使い続けるほどに、髪本来のツヤやなめらかさが戻っていくのを実感できる商品です。
いいもの、いいこと、は自信を持って薦められる
COJ: 社内の反応はいかがですか。
以前よりも環境に対する意識が強くなったと思います。
今年からはじまった「COLOR the Earth」というキャンペーンでは、
サロンで使用済みのカラー剤キャップを回収し、リサイクルで得た収益金等で北海道の十勝地方に植樹しています。
キャップの郵送費はサロン持ちであるにも関わらず、いま1022件のサロン様から集まり、
わたしどもと今まで取引のないサロン様の方からも送られてくるなど、
思っていたよりも反響が大きく驚いています。
こうした取り組みが社内の他の部署からも注目されており、いい影響が内部に与えられることも期待できそうです。
COJ: ほかにされている環境活動はありますか。
小さなことですが、社内ではできるだけ紙コップは使わず、
みな自分のカップを持ってくるようにする。リサイクルペーパーの活用などは当たり前になりました。
わたしの個人的なことでいえば節水や節電などは以前から気をつけていますが、
「エッセンシティ」の担当になってからはより一層熱心になりました。(笑)
例えば、積極的にエコロジー関係の展示会などに足を運ぶようになったことや、
マイバッグの持参、また自宅のベランダに野菜を植えたりと、緑や自然に一層興味を持つようになりました。
COJ: 今後、やりたいことを教えてください。
「エッセンシティ」は本当にいい商品だと自信を持って言えます。
環境にも人にもよいこの製品がもっと広くいろいろな方々に認知されるよう努めたいと思います。
それはただサロン様との契約が増えればいい、ということではなく、
「エッセンシティ」を本当に好きになってほしい、
お気に入りの商品として、みなさんの利用が増えて行ければ、と心から願っています。
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