社内プロジェクトでカーボンオフセットの導入を決定
COJ: 日本カーボンオフセット(COJ)のサービスを導入したきっかけを教えてください。
当社は2000年にISO14001を取得しており、当初は、全員が参加するものとして
紙、ごみ、電気等を、各部門で努力目標を作り工夫しながら削減してきました。
経過について毎月、報告会も行っています。今は、これに加えて環境に有益なことをやっていこうという段階なので、
ここ5年ほどは毎年エコ商品を開発、販売しています。
去年はオーガニックコットンのTシャツやポリ乳酸でできている洗顔泡立てネットなど、
計17商品を販売しました。それで、今年からはさらにお客様にも環境のことを伝えようということで、
4月から社内で『エココンシャス プロジェクト』を始めました。
広報、販促、商品部、店舗スタッフなど、環境に関心がある人や関係部門のスタッフがメンバーになり、
お客様に関心持っていただくにはどういうことがいいか、月1、2回集まって話を進めました。
ちょうどその頃、新聞やニュースでカーボンオフセットを知り、
社内活動で温暖化のためにCO2を削減するのにも限りがあるので、
それ以上にできることとして研究しようと、COJさんをお訪ねして、1から勉強することにしました。
毎年6月の環境月間には、様々な投げかけをしてきましたが、今年は『エココンシャス プロジェクト』として、
通常の手付き袋に替えて環境配慮のメッセージを記載した不織布や再生紙の手付き袋を
店頭でお買い上げのお客様にお渡ししました。
また、通常は当社の運営するショップブランドはそれぞれ別の手付き袋を使うのですが、
今回は全てのブランドで、ブランド名だけ変えて同じデザインのものを使用。
これは初めての試みだったのでインパクトがあり、社内でも盛り上がりました。
その後、第二弾として何をやろうか、という話が出たときに「カーボンオフセットをやりたい」という話になりました。
身体に優しいエコ商品として人気が高い、湯たんぽ
COJ:対象商品として、なぜ湯たんぽを選んだのですか?
最初に、『エココンシャス プロジェクト』のメンバーで何かお客様と一緒にやっていくのであれば、
店舗で展開できて、お客様も参加できるものがいいと考えました。
ただ単に「店舗の電気をカーボンオフセットにしました」といった方法では広告的になってしまってつまらないので、
当社が得意な商品で何か環境配慮をイメージできるものを使いたい、
と相談していた時に商品担当のメンバーが湯たんぽを提案したんです。
ここ2年ほど、湯たんぽは「からだに優しい」ということで注目されています。
電気カイロを使うよりも体にも環境にも優しいので、エコに結びつくと思いました。
自分用にもギフトにもぴったりですし、クリスマスの時期にも親御さんからお子さんへのプレゼントにもなります。
また、お客様からある程度注目してもらえる商品だということが予測できないと、
いくらお客様にカーボンオフセットのことを訴えても素通りされてしまうので、
そういう意味でも注目されてきた人気商品の湯たんぽがぴったりだったのも、選んだ理由です。
店舗の担当者によると5、6年前から湯たんぽは少しずつ売っていたのですが、
その頃はそんなに売れたわけではなかったそうです。
でもここ2年くらいは、かなりの数が売れています。
今年は動物ものやキャラクターもの、小ぶりなのでオフィスで使えるものなど、
約26種類の湯たんぽをそろえる予定です。
COJ:カーボンオフセットの内容は?
具体的には1個のお買い上げにつき、30kg分をオフセットできるようにしています。お客様には30kg分がどのくらいか分かっていた
だくために「シャワーの使用時間を1人1日1分短くするのを1年続けると27kg」「冷暖房の設定温度を夏冬の1年間調節すると25.5g」など、身近な
例を示してご紹介するつもりです。
また、カーボンオフセット付き湯たんぽの売上げの一部を使って、店舗での電力使用によるCO2量の一部(300トン)を間接的に削減する仕組みにしています。商品をお店で売る場合は
どうしても照明などのために電気が必要です。LEDなどを使ったり、一部で省エネ工夫をしていますが電気を全く使わないのは無理です。そこで、その部分をカーボンオフセットの仕組みで一部削減します。
お客様がカーボンオフセットを知るきっかけにしたい。
COJ:社内での反応はいかがですか?
お客様にアピールする前に、実際に販売に係る社内の若いスタッフにカーボンオフセットとは何か、
なぜやるのかを分かってもらうところから始めなければなりませんでした。
毎月発行する社内報でもこの件を載せていますし、先日催された08年秋冬商品の受注会には
全国のスタッフが参加したので、湯たんぽとパネルを置いて周知しました。
その時にCOJの担当の方にお越しいただき、お話をしていただきました。パネルは簡単なところだけを要点をまとめて説明するように意識しました。
環境に関することはオフセットに限らず言葉が難しいことが多く、私も苦労したので、
誰でもでも分かるような言葉を使い、分かりやすくするように工夫しました。
その結果、スタッフには思った以上に理解してもらえた印象です。
今後はお店の店長会議などでも詳しく説明します。
また、お客様からのどのような質問にもお答え出来るようにように様々な質問を想定し、
COJのスタッフの方に監修していただいたカーボンオフセットに関するQ&Aを資料として用意しています。
COJ:お客様のどんな反応を期待していますか?そして、今後の目標は?
ご来店頂くお客様は95%が女性で、特に20代、30代の方が多いです。
普段は環境について深く考える機会が少ないのではないか、
また、カーボンオフセットという言葉をご存じない方も多いのではないかと思うんです。
だから、お客様には楽しくお買い物をして頂いたついでに、カーボンオフセットという言葉を知っていただくだけでもいいですし、
温暖化のことを知ったり、環境に配慮しようと気づいて頂くきっかけ作りになればいいな、と思っています。
今回の湯たんぽは第一弾としてのキャンペーンとしておこなうので、
今後は第二弾として、お客様に注目される商品でまたカーボンオフセットができればいいと思っています。
1回きりのキャンペーンではなくて、継続しておこなっていきたいです。
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