お客様からの提案をきっかけに
COJ: カーボンオフセット対象商品について教えてください。
幾島さん:
わたしどもでは観葉植物などグリーンのレンタルを行っています。
そのレンタル大鉢(160cm以上)1鉢、1か月あたり21kg、中鉢(100cm程度)1鉢、1か月あたり11kg、
小鉢(30cm程度)1鉢、1ヶ月あたり5kg、それからグリーンの寄せ植え1鉢につき1ヶ月あたり20kgのCO2をオフセットしています。
COJ: カーボンオフセット導入のいきさつについて教えてください。
幾島さん:
そもそもの始まりは得意先であったお客様から、何か環境に特化した商品がほしい、
カーボンオフセットつきの商品ができないかと聞かれたことです。
同じ頃大阪の本社でも取引先の企業さんからそのような打診を受けまして、
では具体的にカーボンオフセットについて調べてみようということになったのです。
先にカーボンオフセットに取り組まれている他社の数値データなどを見るとけっこう複雑で、
詳しく教えてくれるところはないかと探していたところ、COJさんにヒットしました。
団体名にも「カーボンオフセット」と入っていて、名前の通り我々の求めていたプロバイダーでした。
COJさんにはわが社が提示する数値を算出する際など、親身になって相談にのっていただき感謝しています。
COJ: カーボンオフセットを説明するときに苦労された、と聞きましたがどのような点ですか。
幾島さん:
植物といえばそれだけで何か環境にいい、というイメージを持たれる方も多いと思います。
確かに植物は地球にも人にも、癒しや活力を与える存在なのですが、
カーボンオフセットの取り組みを説明するとき、
お客様の中には「植物が行う光合成によってCO2がオフセットされる」と誤解される方が多かったのです。
環境にいいイメージがあるので、売り込み時はお客様も抵抗感なく聞いてくださるのですが、
説明をしていくうちに混乱されてしまう、ということもありました。
プレゼンをするときも混乱を引き起こさないよう、どこに焦点を置いて話したらいいかが悩みどころでした。
カーボンオフセットの対象商品は植物だけれども、実際には運送に使われる燃料や植物の維持管理に使われる温室でのボイラー費など、
業務から出るCO2をオフセットします、と詳しく説明をしました。
取り組みやすく好評なカーボンオフセット
COJ: 社内外の反応はいかがですか。
久保山さん:
法人契約のお客様がほとんどですが、安価で取り組みやすい運動だという感想をいただいています。
例えば、大鉢1鉢につき月額210円(税込)をレンタル代金に含むことで21kgのカーボンオフセットができます。
中鉢では105円、小鉢は42円、と安いコストで企業のイメージアップにもつながりますから、
お客様にはご賛同いただきやすいかと思います。
カーボンオフセットには昨年8月からの参加ですが、おかげさまで新規のマンションなどからの受注がきています。
ただ、こうした時勢ですから気が抜けないことも事実です。
レンタルグリーンは経費削減の対象になってしまうこともあります。
わたしどもとしては新規のお客様を開拓する必要も常にあります。
植物の質などにはあまり大差のない業界ですから、同じような商品、業者が並んだ時、
カーボンオフセットという付加価値が生きていると実感しています。
お客様にも環境によい事業をしている、と受け入れられることが多いからです。
幾島さん:
社内ではまず事業部長、社長とすぐ決済が下りました。
また、ぜひ早くやりなさい、と励まされました。
ただ、社員にカーボンオフセットの概念を理解してもらうのには少し時間がかかりました。
カーボンオフセットは資金の流れや行き先が、具体的にはわかりにくいという点があります。
どこの何の事業にわたしたちの払ったお金が使われています、とはっきり言えたらいいのにと思いました。
ただそこは、お客さまに説明するのと同じように、植物という商材でも工業製品同様、
事業を通じてエネルギーがかかっており、それらをこの取り組みで相殺することができるのだ、と話すように努めました。
お客様に説明するには、まずわたしども社員が理解している必要がありますから、
機会あるごとに勉強するよう心がけ、またCOJさんからいただく情報を常に伝えるようにしています。
社員の意識改革にもつながる
COJ: ほかの環境活動は何かされていますか。
幾島さん:
いままでは経費についてあまり無関心でしたが、収益源のレンタルグリーンの成約がリーマンショック以降、
前年割れが続く環境になり、経費削減のことも考慮しようといろいろ工夫しはじめました。
これまでは新規のお客様を開拓するときなど、営業担当者がそれぞれ車を使っていましたが、
同じ方向に行く場合は一台の車に乗り合って向かうとか、電車でいけるところは電車を使うなどするようになりました。
自転車もこのために購入して使うようにしています。そういった意味では環境活動になっているんですかね?
COJ: 今後の課題ややりたいことがあれば教えてください。
久保山さん:
お客様にレンタルグリーンを薦める際、コストの面もさることながら、置き場所がないという声もよく聞きます。
そこでコーナーなどの代わりに部屋の壁面を緑化してはどうか、というご提案もさせていただいています。
屋上緑化の研究や実験もしていますが、これは大がかりでなかなか取りかかりにくいものです。
壁面の緑化でしたらもう少し気軽にできるのではと考えました。
また、インテリアの要素も兼ね備えた「パズルグリーン」という商品がありまして、
例えば片面をコルクボード、片面を植栽とするなどオフィスにグリーンと機能性、両方備えた商品としてご提案しています。
いろいろなタイプのものを作れますからコストも調整できますし、
ここにもカーボンオフセットをつけることができればいいなと考えています。
幾島さん:
いろいろな業種の企業が協力しあって、環境面でもよい事業展開ができることを期待しています。
我が社でも最近、工芸関係の企業と提携を組みました。双方の専門を生かし、
アイデアを出し合いつつ環境によい事業ができればと思っています。
また、我が社のカーボンオフセット付きレンタルグリーンをオフィスに置いていただくと、
わたしどもだけでなくお客様である企業も「地球温暖化防止に貢献した」といえるメリットが生まれます。
このように一企業だけで完結してしまうものではなく、異業種間であっても協力しあい、
環境によい取り組みが拡大していくことを願っています。
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関東事業部 営業企画課リーダー 幾島 秀孝さん(写真右)
仕事内容:数値の対象とする品目(今回は植物を維持管理するための温室で使用するボイラー費(重油)、
お客様先に納入するためにかかる運搬費(軽油)決めから、サービスにする対象商品(:ここでは大鉢、中鉢、小鉢が相当)決め、
タグのデザイン、伝盤するリーフレットの作成まで携わっております。
企画デザイン課 副主任 久保山淳司さん(左)
主にマンションモデルルームのグリーンレンタルに関する営業や外構デザインなどを担当しています。
グリーンレンタルにつけられるCO2量が記載されたカーボンオフセットグリーンのタグ
カーボンオフセットのタグがついたレンタルグリーン
グリーンレンタル・エバーフレッシュの中鉢
対象の各鉢植えにはカーボンオフセットのタグがこのようにつけられている
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