日用雑貨業界初のカーボンオフセット付き商品
COJ:日本カーボンオフセット(COJ)のサービスを導入したきっかけをお聞かせください。
去年の9月に日本カーボンオフセット(COJ)に入会したのですが、具体的に何をしようか考えていたところ、COJの方から「紙おむつでやってみたらどうですか?」という話をいただきました。
その後、11月に小売店の方から「一緒に環境キャンペーンをやりたい」という相談を受け、カーボンオフセットつきベビー用紙おむつを提案しました。
エコバッグなどの環境配慮型のノベルティを配る方法などもありましたが、実際どれだけ使われるか分からないし「環境問題に取り組んでいる立場として、ゴミになるか分からないものを出すよりも有効に使えるものを出したい」と思ったんです。
最初はなかなか企画に許可が下りず苦労しました。 キャンペーンなのに物がもらえないので「カーボンオフセットというかたちのないものが理解されるのか?」と営業や企画の担当者から言われました。
しかし、2008年に入って環境問題がクローズアップされていたこともあり、社内の理解も得られ、実施することになりました。
環境配慮型の商品をカーボンオフセットの対象に
COJ:具体的にはどのようなキャンペーンをおこなったのですか?
6月5日から7月10日まで、弊社主力のベビー用紙おむつである「ムーニーマン」のキャンペーンの一環として、カーボンオフセットをおこないました。
「ムーニーマン」は使用後は焼却処分されるのですが、その時に排出されるCO2を計算したところ、1袋あたり約3kgだと分かったので、キャンペーン対象商品については、その約3kg分のオフセット料金を弊社が負担し、CO2をオフセットできる仕組みにしました。
売上げの一部を寄付するといったかたちではなく、商品の焼却にかかる全てのCO2をオフセットする、という点にこだわりました。
本当は紙おむつの製造から焼却までのライフサイクルでやることも考えたのですが、現状ライフサイクルでCO2量を算出するルールがないので数字に曖昧さが出てしまうので、お客様にむしろ誤解を与えてしまう可能性があると考え、焼却処分の時のCO2だけを対象にすることにしました。
また「環境負荷を減らそうと努力した商品でなければ、カーボンオフセットが免罪符になってしまう」と思い、薄さを従来の1/2にして環境負荷量を大幅に削減した、環境配慮型の「ムーニーマンスリムパンツ」と「ムーニーマン汗スッキリ」という商品をキャンペーンの対象商品にしました。
当初目標を約10%上回るCO2をオフセット
COJ:2008年5月にサービスを立ち上げてからの反響は?
流通からの反応は、やる前は「これからは環境問題のことを考えなければならないし、いい方向に進むのではないか」という好意的な反応と「かたちがないし、そんなキャンペーンで売れるのか」というネガティブな反応と五分五分でしたが、結果的には多くの流通のご理解を頂き、結果的には当初目標の3,000トンより約10%多い約3,400トンのCO2をオフセットすることができました。
また、業界初の試みだったので新聞、テレビ、業界紙などから多くの取材を受けました。
社内では、このキャンペーンがきっかけとなり「環境、社会貢献的な取り組みは商品価値を高める」と認識されるようになってきました。
まずは環境負荷配慮型の商品を増やしていきたい
COJ:今後の課題、目標は?
このサービスの仕組みをもっと分かりやすくするための工夫をしたいと思います。 例えば Q&A形式の説明を入れたチラシの制作などです。 また、カーボンオフセットの仕組みを勉強する中で「やはり無駄なエネルギーを使わないでほしい」という思いが強くなってきたことから、ガスの節約もお客様に提案するようになりました。 これも続けて行きたいです。
まずは商品の環境負荷を減らす努力を進めていきたいです。 環境負荷を減らす努力があってのカーボンオフセットだと思います。
もちろんそれ以外の製造、物流などの企業活動のあらゆる場面で環境負荷を低減する努力を進めていきます。
また、今後はより多くの方にカーボンオフセットを理解していただくことに努めていきたいと考えています。
細かいところでは反省はありますが、特に店頭での告知を強化したいと思っています。
売り場におけるカーボンオフセットの説明が不十分だったために、仕組みについてご理解いただけなかったお客様がいたのは事実です。
より多くの方に知っていただければもっと効果が出ていたと思います。 この点が一番の反省点です。 これらの点を、今後に活かしていきたいです。
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部署・役職名:コーポレート・ソシアル・レスポンシビリティ部 環境推進室 仕事内容:ISO14001に関する業務を中心におこないながら、社内の人々が環境配慮に関心を持ち、実践できるように情報発信、働きかけをおこなっています。
今回のキャンペーン対象商品は、薄さを従来の1./2にしたことで、原材料の使用量とライフサイクルでの環境負荷量を大幅に削減した環境配慮型の商品です。
キャンペーンサイトのページ。「ムーニーマンであなたは子供の未来の環境を守ります」がキャッチフレーズで、多くの方にご賛同の声をいただきました。
対象商品につけたキャンペーンの紹介です。これだけだとカーボンオフセットの内容が伝わりにくかったので、今後は、より詳しく案内するツールを店頭に設置したいです。
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